新しい作用機序をもつ利尿薬 トルバブタンの使い方と注意点

摘要

抗利尿ホルモン（antidiuretic hormone ； ADH)は分 子量1,084の9つのアミノ酸からなる環状構造をもったぺ プチドホルモンである。このホルモンの発見当初は，そ の強い血管収縮作用によりバソプレシン（vasopressin) とよばれたが，その後に抗利尿作用も発見され，ADHと よばれるようになった。ADHは視床下部の室傍核 (paraventricular nucleus ； PVN)や視索上核(supraoptic nucleus ； SON)で合成される。合成されたADHの多く は，ニューロンの軸索輸送によって下垂体後葉の軸索終 末部に運搬?貯留され，その後分泌されるが，一部は細 胞体ゃ樹状突起から脳内に分泌され，概日リズムなどの 脳生理作用に関わることも報告されている。