ダウン症候群児と非ダウン症候群児における心臓手術後急性期の人工呼吸中の鎮痛?鎮静薬必要量の比較

摘要

ダウン症候群(Down's syndrome ： DS)児(以 下，ダウン症児）の心臓手術後人工呼吸中の鎮 痛?鎮静薬必要量が，非ダウン症候群(non-Down's syndrome：NDS)児（以下，非ダウン症児）と比 較して異なるかを検討した。当院で2011年から2 年間に房室中隔欠損，心室中隔欠損，心房中隔欠 損の診断で心臓手術が行われた1力月以上2歳未 満の患児のうち，集中治療室（ICU)入室後12時 間以上の人工呼吸を行った目標鎮静レベル（state behavioral scaleで評価）が一1の症例を対象とし， 後方視的に鎮痛?鎮静薬投与量を調べた。DS8症 例とNDS12症例が対象となった。術後3時間ご との鎮静レベルと鎮痛·鎮静薬持続投与量，術後 12時間の鎮痛·鎮静薬総投与量に両群で有意差は なかった。ダウン症児の心臓手衞後人工呼吸中の 鎮痛·鎮静薬必要量は非ダウン症児と同等であつ た。