日帰り手術における静脈麻酔鎮静度·鎮痛度制御の研究

摘要

以上で設計した制御系の性能を確認するためシミュレーションを行った．目標値はBIS = 50, SPI = 4.5 とした．また，制御時間は120 分間とした．平均的なパラメータを持つ対象に対するシミュレーション結果を図2に示す．この結果から適切な制御が行えていることがわかる．しかし，さまざまなパラメータを持つ対象に対してシミュレーションを行ったところ，各患者のパラメータの同定結果は必ずしも正確ではなく，モデル化誤差が大きい場合があった．また，モデル化誤差が大きいときには応答が振動的になる場合があり，個人差に十分対応できているとはいえない．さらに，同定に要する時間がサンプリング周期程度であり，臨床応用を行うためには短縮が必要である．これらの点について今後改良を行う予定である．