ウィルス世界の探訪

摘要

口蹄疫は古くから畜産に大きな被害を及ぼしていた。19世紀終わり，ジフテリア菌の分離で有名になっていたドィッ-グライフスヴアルト大学のフリードリヒ?レフラーは，ィッ政府の命令でポール?フロッシュとともに口蹄疫の予防法の研究を行っていた。彼は口蹄疫の原因も細菌と考えていた。すでにコッホ研究所時代の同僚，北里柴三郎とェミール?ベーリングがジフテリア菌に対する抗毒素を発見していたので，病気の牛の口と乳房の水疱に抗毒素含まれていると考え，細菌フィルターで濾過して子牛に接種したところ，期待に反して子牛はロ蹄疫にかかってしまった。数回実験を繰り返したが同じ結果だったため，彼は，疫の病原体が細菌よりも小さな微生物と結論して1897年に報告した。