オビオイドの功罪一オビオイドは人類に恩恵を与えたのか，それとも諸悪の根源なのか

摘要

オビオイドに関する記述は，遠い人類の歴史の中に多く見られ，最古の医書といわれるBC2200 年ごろのシュメールの医書にはァヘンが抽出され るケシの記述と鎮痛薬としての使用が，またBC8 世紀アツシリアのレリーフには，医療ではなく ， 祭祀に用いられたと思われる犠牲の羊とともにケ シが描かれている。古代より人類は，ケシを"歓 喜の植物"として，祭祀などにも，身近に頻繁に 使用していたと考えられる。もちろん，ケシから 抽出されるオビオイドはそのすばらしい特性であ る鎮痛作用を，太古より，痛みの緩和にも多々用 いられてきたのであろう。