肺病変を合併した結節性硬化症に腎血管筋脂肪腫を併発した患者の麻酔経験

摘要

結節性硬化症（プリングル病）は，てんかん発作，知能低下，顔面の皮脂腺腫を3主徴とする疾患である。肺リンパ脈管筋腫症（pulmonary lym phangioleiomyomatosis：LAM）を合併することがあり，結節性硬化症にLAMを合併した病変をpulmonary tuberous sclerosis（PTS）と呼ぶ2）。また，LAMは主に妊娠可能な年代の女性に好発し，肺野にびまん性嚢胞性変化を進行性に来し，呼吸不全に至る比較的まれな疾患である。今回，PTSに腎血管筋脂肪腫（angiomyolipoma：AML）を合併した患者に対し，子宮全摘術を行った症例を経験したので報告する。