新しいオッシロメトリック法アルゴリズムによる心房細動症例での無侵襲自動血圧測定の検討

摘要

心房細動では，脈圧の変動や血圧波形全体（平均圧）のシフトによりオッシロメトリック波の振幅が1拍ごとに変動するため，オッシロメトリック法を用いた自動血圧測定は精度が悪く，測定不能のこともある。 心房細動による脈圧や平均圧の不整を補正することで，自動血圧測定の精度が向上し測定不能が減少するかを検討した。 観血的血圧をもとに，脈圧と平均圧を補正することで測定不能は11％から4％に減少し，指尖脈波による脈圧のみの補正でも6％と半減した。 観血的収縮期圧平均値に対する推定標準誤差は，平均でおのおの6．4，4．1，4．8mmHgであった。 脈圧や平均圧の補正によって，オッシロメトリック法の測定不能を減少させ精度を向上させることができた。