終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン

摘要

近年，欧米を中心にがん悪液質の代謝動態 や病態，そして定義をはじめとする概念の追 究が行われるようになり，終末期の輸液療法 のあり方が見直されつつある.本ガイドライン は，がん悪液質が生体に悪影響を及ぼす時期 での輸液療法に焦点を当て，推定余命1力月 以内の患者を対象とし，身体的苦痛(総合的QOL指標，腹水，胸水，浮腫，嘔気?嘔吐，ロ渴，気道分泌，せん妄，倦怠感）や生命予後， そして患者?家族の精神面?生活へ与える影 響について，30項目に及ぶ臨床疑問に対する推奨と解説で構成されている.