鋳造用高性能セラミックチューブフィルター

摘要

本稿は、現在、生産現場で費用効果の高い生産性向上手段としてフィルターがどのように使用されているかということについて紹介するものであり、フィルター用材料、そのユニークな構造及び作用機序について述べる。また本稿は、溶湯のろ過が決定的な重要性を持つ一方、極めて困難な仕事となる、大型鋳鋼及び鋳鉄鋳物の溶湯ろ過に焦点を当てる。大型鋳造品の溶湯ろ過において、現在行われている発泡セラミックフィルターの使用方法には限界があり、場合によっては、解決できる問題より新たに発生する問題の方が多いということもある。溶湯ろ過用フィルターの作用要素のうちの非常に重要な1つとして、鋳割れや折損といった予期せぬ副作用を起こさないという安全度が確保されねばならないということが挙げられる。この問題の発生を効果的に防ぐ方策として、発泡セラミックフィルターの形を管状に改変することに成功した。本稿は、従来のセラミックフィルターと比較するとユニークなこのチューブフィルターについても、関連事例研究の結果と共に述べたい。