光ファイバーブラッググレーティングを波長選択素子とする多波長レーザー－超音波計測への応用

摘要

本研究では、このようなFBG用いた計測技術の実用的な応用を目的としFBGを波長選択素子として用いたリング型共振器を構成して、多波長で安定した同時発振動作が可能な光ファイバーレーザーを試作した。このレーザーは、SOAを利得媒質として利用し、リング型の共振器内に複数個のFBGを波長選択性の反射鏡として用いて構成されており、これらFBGのブラッグ波長での多波長同時発振動作を可能にする。また、レーザーの発振スペクトルは、FBGそのものの反射スペクトルに比べて、非常に狭帯域なものが得られるので、FBGの反射スペクトルを直接計測する従来のFBGセンサーに比べて、より高感度かつ高精度な計測が期待される。本報告では、3波長で同時発振可能な光ファイバーレーザーを試作し、その動作確認を行うとともに、多点でのひずみ計測および強度変調法を用いた計測の基礎実験を行った結果について示す。さらに、試作したレーザーを固体振動や水中音響の多点同時検出を行うFBGセンサーアレイの光源に応用した結果について述べる。