車輪とレールのメカニクス：摩擦調整材の技術～固体摩擦調整材の適用手法と効果

摘要

摩擦調整材は，その優れた摩擦特性と幅広い商品ラインアップによって，車輪フランジ，車輪バックフランジ，レール肩部と溝レール側面などの摩耗防止に用いられたり，きしり騒音，レール波状摩耗並びに先頭軸外軌側横圧低減に用いられている．特に，固体摩擦調整材は，車輪／レール接触の必要な場所に必要な量だけ塗布されることから，フランジ塗油などのように，塗布場所以外への滲みがなく，安心して使うことができる．過去にも，「鉄道車両と技術」誌において，摩擦調整材全般や液体摩擦調整材を紹介する機会が有ったが，今回，固体摩擦調整材に的を絞って，製品の概要をはじめとして，その使い方や効果について詳しく説明する．また，固体摩擦調整材を採用するときの問題点や注意事項についても説明する．