これからの鉄道車両への提言：高速曲線通過と操舵性台車

摘要

傾斜可能な車体と輪軸操舵性のよい台車で曲線をより高速で通過したい．これは小曲線の介在が多い在来線で，到達時間短縮のために期待される一般的な取組みです．曲線乗り心地の観点からは，カント量の増加や車体傾斜車両により速度向上が進められています．合わせて，曲線通過時に生じる車輪フランジの摩耗と軌道への負荷を減少させるため，輪軸の操舵性を備えた台車も採用されています．そこでは，自己操舵や強制操舵の方式が実用化され，アクティブな操舵方式も提案されるなど，各所で様々な検討が行われています．本稿では，筆者らがこれまでに手がけた検討のなかから，鉄道車両の高速曲線通過と操舵性台車に関する知見を紹介し，今後の車両開発上の提言にしたいと考えます．