環境適合型次世代超音速推進システム(ESPR)－LPP低NO{sub}x燃焼器の研究開発

摘要

環境保全の観点から，航空用エンジンへの低NO{sub}x化の要求が年々高まってきている。 さらに，急増する航空輸送と経済活動のグローバル化に対応して，本格的な超音速輸送時代の到来が期待される。 超音速機は成層圏を巡航するため，NO{sub}xがオゾン層に及ぼす影響が大きく，NO{sub}x削減は特に重要である。 NASAで行われたシミュレーション結果によると，マッハ数1.6～2.4で巡航する超音速機から排出されるNO{sub}x排出量を15g/kg fuel以下に抑えればオゾン層の破壊は自然界の変動範囲となり、その影響を無視できると考えられる。 しかし，ESPRプロジェクト（以下，本プロジェクト）では，シミュレーションの不確定要素を考慮して，NO{sub}x排出量を5g/kg fuel以下に削減することを目標として低NO{sub}x燃焼器の開発を行った。