酸素吸収性オレフィン容器の実用化における製造技術及び多層化（第18回,2007年）

摘要

本技術は，食品保存容器として通常使用されているEVOH等の酸素バリア性樹脂を中間層とした多層容器（ポリオレフィン／接着／EVOH／接着／ポリオレフィン）に独自開発した酸素吸収層を付与した容器に関するものである．図1に一連の製造工程を示す．技術的なポイントとしては，①酸素吸収材の開発（溶融混練による樹脂改質）－ポリエチレンとスチレン系樹脂及び遷移金属塩で構成される，樹脂の自動酸化を利用したポリエチレンの酸素吸収性能の発現設計，②酸素吸収材の製造技術一製造中に発生する焦げの課題に対する二層ペレット化対策や性能不足を補填するエージング処理等の高活性化，③容器製造技術（多層化技術）－薄肉層を均一に押し出すためのダイヘッドの新規開発，である．これらの技術確立により，食品の酸化劣化を今まで以上に軽減することが可能となり，その結果，賞味期限延長や美味しさを訴求する新しい容器を提供することができ，受賞に至った．