発泡成形を支える成形機－キャビティ拡張発泡成形技術と制御技術

摘要

発泡膨張手段によって，金型キャビティ内への発泡性溶融樹脂の射出充填をショートショット充填とし，発泡膨張力を利用して残りの空間部を充填するショートショット発泡成形法と，金型キャビティ内への発泡性溶融樹脂の射出充填をフルバック充填した後，金型キャビティ容積を拡張させることで拡張方向に発泡膨張させるキャビティ拡張発泡成形法とに分類される．発泡剤及び発泡膨張手段の選定は，使用する熱可塑性樹脂の種類，金型構造，生産性，コスト，発泡改質効果の期待値などから適宜選定される．高精度なキャビティ拡張制御を可能とするトグル型締機構の大型全電動射出成形機の登場により，キャビティ拡張発泡成形法を発泡膨張手段とする事例が多くなってきた。本稿では，キャビティ拡張発泡成形の制御技術と，キャビティ拡張発泡成形を利用した応用展開技術について紹介する．