溶融ポリマーに溶解した超臨界CO{sub}2濃度のオンライン計測法

摘要

現在，私たちの身の回りはたくさんのプラスチック製品であふれている．プラスチックの生産量は世界で年間約1億8千万トン，日本では年間約1,500万トンにも及んでいる．プラスチックは，近年では暮らしの中に完全に定着し，従来の天然素材の代替として，あるいはプラスチックの特性を活かした製品を作り，その特徴を十分に発揮して，あらゆる生活分野および産業に貢献している．プラスチック成形加工において，機能性付与や加工性向上，あるいは熱や光に対する耐性を高めるため，可塑剤や安定剤が添加されることがある．例えば，フタル酸エステルやリン酸エステルなどの有機溶媒やフロン系気体が可塑剤あるいは発泡剤として，フェノール系，サリチル酸系の有機溶媒が酸化防止剤や紫外線吸収剤として用いられている．ポリマー自身を改良するよりも少量の可塑剤や安定剤を添加するほうが効果的·経済的であることから，非常に多くの添加剤が含まれているのが現状である．しかし，これらの中には，製品から放散して大気汚染物質や内分泌撹乱物質（環境ホルモン）として人類を含めた生態系に有害である可能性のある物質が含まれていることが分かってきた．また，フロン系気体はオゾン層破壊と地球温暖化への影響が危倶されている．