圧縮コイルばねを利用した中腰作業補助装置の開発

摘要

イチゴ収穫時によく見られる作業姿勢を、最近私たちの研究グループが開発した「農作業姿勢の人間工学評価ソフト（FWES）」で評価した場合、きつい作業と判定される（図1）。姿勢に対する負担度は、年齢や体格によって変化し、例えば図1の姿勢を25歳の同じ体格の男性がとった場合の評価点は60点に低下する。したがって高齢作業者の多い生産現場では、年々身体的な負担が重くなっていると考えられる。このことから、高設ベンチなど省力的な施設を選択して無理な作業姿勢の改善などを進めることが有効であるものの、宮城県内のイチゴ栽培面積の大部分は地床栽培（全国的にもほぼ同様）であり、多くの作業者が腰痛に悩まされている現状がある。そこで、小型で軽量、作業現場で使いやすくメンテナンスも容易な電源不要で頑丈な作業補助装2）を開発した（図2、図3）。