熱帯乾馳似こおけるストーンマ′吟浸種および種子活力の違いがトウモロコシの出芽および初期生育に及ぼす影響

摘要

熱帯乾燥地における作物栽培では，出芽率の低さが大きな制限要因となる．出芽の良否は，土壌環境条件や種子自体の品質によって影響される．ストーンマルチ（以下SM）工法は，播粗末の土壌を礫で覆うことで土壌環境を改善し出芽や初期生育を高める緑化技術として利用されてきた．浸種げS）は，播隆直前に作物の種子に吸水をある程度行わせることにより出芽や初期生育を速める技術である．容器内に溜めた少量の水で大量の種子を処理でき水利用効率が高いことから，アジアやアフリカの農民によって古くから用いられてきている．種子活力とは，種子の生理的劣化や形態的な健全性の程度を数値化することにより，発芽率では検出できない種子品質の差を示すために開発された比較的新しい指標で，活力の高い種子は過酷な圃場環境条件下でも出芽することが知られている．本報告は，典型的なオアシス農業を実践する農家圃場において，活力の異なるトウモロコシ種子にSMおよびPSを施し出芽と初期生育を調査した試験の結果である．