セルロース系バイオマスのアルコールへの変換技術酵素糖化のための前処理技術

摘要

21世紀に入って、原油価格が高騰し、ガソリン代替のバイオアルコールの生産が急速に伸びている。ブラジルはサトウキビの糖蜜から、アメリカはトウモロコシの澱粉からアルコールを生産している。ブラジルでは2025年までに世界のガソリン需要量の10％をバイオエタノールで代替する戦略を練っている。しかし、その反面、食品や飼料の国際的価格が高騰し、その上、アマゾン熱帯林が破壊されるのではと危慎されている。　そこで食料と競合しない草本、木質などのセルロース系の未利用資源を原料とするバイオアルコールが注目されている。具体的には、サトウキビから糖蜜を絞ったかすのバガス、トウモロコシの茎や穂軸、間伐材、製材工場廃材、建築解体材、古紙などである。しかし、これらの資源からのアルコール製造は糖蜜や澱粉からのそれと比較してそう簡単ではない。