焼畑に伴う開墾により土壌養分はどれくらい低下するのか: カメルーンにおける土壌微生物の基質反応特性を用いた解析

摘要

アフリカ中央部には貧栄養なOxisolsが広く分布しており、自然植生（森 林あるいはサバンナ）を休閑植生として利用した焼畑農業が営まれている。当該地域に おいて持続可能な焼畑農業を実現するための土地管理方策を構築するためには、焼畑に 伴う短期間（数年）の開墾によって土壌養分がどれくらい低下するのか、さらに休閑植 生が異なればこれらの影響も異なるのか、等を解明する必要がある。しかし当該地域に おいて、異なる土地利用下における短期間の開墾が土壌養分の低下に与える影響は未だ 不明な点が多い。そこで本研究では、土壌微生物の基質反応特性（不足する基質が添加 された場合に土壌微生物が増殖する特性）を利用する。具体的には、開墾前後の各土壌 に炭素、窒素、リンなどの基質を添加し、土壌微生物の基質反応特性を評価、比較する ことで、土壌微生物にとっての充足率を指標に、開墾に伴いどの養分元素が低下したか を土地利用毎に解明することを目的とした。