ベトナム中部小規模水田における低投入型稲作技術の改良

摘要

1980年代以降のベトナムにおける「緑の革命」はイネの単収を飛躍的に増大させたが、他のァ ジァ諸国と同様、化学肥料や農薬の過剰投入が問題となった。メコンデルタの三増三減や紅河デ ルタのSRI導入と比べ、中部地域では環境保全型稲作への取り組みが遅れている。前報(熱帯農業 研究5別2: 25-26)ではトウァ'ティエン'フエ省フー口ック郡ケース一集落の小規模水田において、投入資材を抑えた「低投入型稲作」としてSRI (System of Rice Intensification)を部分的に 導入し、「慣行湛水直播栽培」と生育収量を比較した。本報告では、これらを労働投入、収益性か らも評価した。また第2回圃場試験の結果を加えて、当該地域の稲作技術の改良を検討した。