参加型育種の概念に関する解釈と実践の多様性（2) ーネパールにおける異なるステークホルダーの語りと行動一

摘要

1990年代から作物の育種において、参加型開発の概念を取り入れた「参加型植物育種」 (Participatory Plant Breeding: PPB)が多く行われるようになった。本研究の対象であ るネパールでは、国立研究機関のネパール農業研究協議会（National Agriculture Research Council:NARC)とNGOの生物多様性研究開発のための地域イニシアティブ（Local Initiatives for Biodiversity, Research and Development: LI-BIRD)の両方が参加型植物育 種を積極的に展開している。NARCは参加型植物育種の中でも特に参加型品種選抜(Participatory Variety Selection: PVS)を、LI-BIRDは育種素材の選抜のより早い段階 から農家が参加するPPBを主に実践している。