L1_0-FePt薄膜のレーザー誘起超高速減磁過程

摘要

超短パルスレーザー照射の際に見られる磁性体の超高速減磁現象は，基礎的観点から興味深いと同時に，レーザーアシスト磁化反転に代表されるような応用上もその物理的な理解が重要である．幾つかの理論によれば，超高速減磁における磁化の減少は，スピン·軌道相互作用によるスピンフリップ散乱に起因すると考えられ，その減磁時間はダンピング定数に反比例する．しかしながら，応用上重要な垂直磁化薄膜に対しての磁化ダイナミクスに関する研究はあまり行われておらず，詳細な研究が望まれる．これまで我々は，L1_0-FePt合金薄膜の磁化歳差ダイナミクスとギルバートダンピング定数について報告したが，ここではL1_0 規則度の異なるFePt薄膜における超高速減磁過程を調べ，ダンピング定数との比較を行った．