強磁性体ナノ粒子を用いた新規温熱療法の開発へ向けて

摘要

局所温熱療法の一番の課題は、組織へ伝達する温度を上手にコントロールすることが難しく正確かつ的確に腫瘍容積を加温する適切なデザインを作成することである．それらを克服すべくさまざまな工夫がなされており、その中の一つに我々が目指す磁性体とAMFの組み合わせによる温熱療法が属している．我々が理想とする温熱療法をFig.1に示す．多くの磁性粒子をターゲットに集積させ（accumulation: A）、かつ、それぞれの磁性粒子の発熱エネルギーを大きくし（energy: E）、生体深部の熱冷却効果（Thermal Diffusion Loss: D）に打ち勝って、腫瘍を焼灼できる温度（Temperature: T）まで到達させることが必要不可欠である．