d-HDDR処理を施したNd-Fe-B磁石粉末の微細組織と異方性の関係

摘要

Nd-Fe-B系合金を高温下の水素中で不均化させ，その後，減圧下で水素を除去（脱水素）して再結合させるHDDR（hydrogen disproportionation desorption recombination）処理によって，組織が微細化し，高保磁力が得られる．また，不均化時の水素分圧と湿度を適切に制御(d-HDDR処理）することで，Nd_2Fe_(14)Bの結晶方位が揃った異方性粉末が得られることが知られている．しかし，その異方化の起源については諸説あり，未だ明らかではない．そこで本研究では，不均化処理後にみられるFeとNdH_(2+x)からなるラメラ状組織に着目し，磁気特性と組織変化の関係を調べた．