Bifidobacterium animalis subsp, lactis GCL2505を含有する発酵乳の摂取による便秘傾向を有する健常成人の排便回数，便性状，および翼便菌叢の改善

摘要

ヒトの腸内には，翼便1グラム中100兆個にも達する多種多様な腸内細菌が生息しておりへ複雑な 腸内菌叢を形成している。近年，この腸内菌叢と宿 主であるヒトの健康や疾病との関連に関する研究が 進展し，腸内細菌の改善が生活習慣病の予防?改善 に有効であることが示唆されている。とくに，腸内菌叢における最優性菌の一つであるBifidobacterium (ビフィズス菌）は，有害菌の増殖 を抑え腸内菌叢のバランスを良好に保ち，免疫系調 節作用，感染防御作用，アレルギー抑制作用，さら に発がん抑制作用などの重要な働きをすることが知られている4)。このようなビフィズス菌の宿主に対 する生理効果は，主として腸内におけるビフィズス 菌の増加によってもたらされることから，ヒト腸管 内のビフィズス菌を増やすための多くの試みがなされてきた。