アクティブ'ターゲティングDDSナノ粒子(糖鎖リボソーム）を用いたin vivoイメージング試薬

摘要

我々は，レクチンと糖鎖間の特異的な相互認識能を利 用した標的指向性リボソームに着目し，産業技術総合研究所山寄登先生のアクティブ、タ一ゲティングDDSナノ粒 子（糖鎖リボソーム)の技術を導入して,in vivoイメージ ング試薬の開発を行っている。蛍光物質Cy5.5を内包し たリボソームの膜表面にシァリルルイスX(SLX)を結合さ せたSLXリボソームは，炎症部位の血管内皮に発現した E-セレクチンと相互作用し，関節炎あるいは担癌マウス の炎症や癌組織に特異的かつ効率的に集積することが分 かった。さらに，走査型蛍光顕微鏡による観察から，リポ ソームが炎症や癌組織近傍の血管から周辺組織へ移行し ていることが確認できた%ここにはSLXリポソ一ムを1 例として示したが，このようなin vivoイメージング試薬は， 糖鎖の種類を変えることにより，種々の標的疾患部位を確 実に捉えることができる全く新しい画期的な製品である。