再生不良性貧血の治療における抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン（サイモグロブリン.点滴静注用 25 mg）の使用について

摘要

再生不良性貧血に対する免疫抑制療法として，抗ヒト胸腺細胞免疫グロブリン（ATG）が使用されている。サイモクロブリンはウサギATG製剤であり，従来使用されてきたウマATG製剤であるリンフォグロブリンに代わり同等の効果が期待できる薬剤である。しかし，投与に際しては発熱をはじめとする過敏症状の発現，あるいは強力な免疫抑制作用に伴う感染症発現リスクなどに十分な注意が必要である。なお，再生不良性貧血に対する初回治療の使用報告は十分ではないことから，日本人を対象とした至適用量の検討を含めた使用経験の蓄積が不可欠である。