VERA電波望遠鏡用6.7GHz帯受信機の開発およびアンテナ搭載試験

摘要

我々は、国立天文台のプロジェクトの一つであるVERAと呼ばれるVLBI計画に搭載する6.7GHz帯受信機の開発を行った。VERAとは、VLBI Exploiation of Radio Astrometryの略で、日本国内の口径20m電波望遠鏡4台からなる干渉計である。この既存の20m電波望遠鏡に新たにメタノールが放射するメーザーを観測するための、6．7GHz帯受信機の開発を行った。この受信機は、デゴアルモードホーン、偏波分離器および低雑音アンプから構成されている。そこで、高開口能率を追求し、アンテナ光学系およびデュアルモードホーンの設計を進めた。そして、ホーン単体のビーム特性測定等を経て望遠鏡に搭載した新受信機は、星形成領域（W30H）からのメタノールメーザー輝線信号を受信することに成功した。本講演では、アンテナ光学系の計算やデュアルモードホーンの測定、望遠鏡搭載でのアンテナ特性試験や4モードホーンへの改良などの紹介を行う。