FastICAによるディジタル変調信号のブラインド信号分離

摘要

本稿では，アレーアンテナにより受信されたQPSKや16QAMといった多値変調信号に対して，独立成分分析アルゴリズムのひとつであるFastICAを適用することで分離ウェイトの学習高速化を行い，参照信号や到来方向などの事前情報を必要としないブラインド信号分離を実現する手法を提案する．独立成分分析は，原信号の確率密度関数を用いることにより，それぞれの信号の独立性に着日することにより信号を分離する手法であり，そのアルゴリズムから到来波数が素子数以下であれば全受信彼を同時抽出することが可能である．本稿では，FastICAを用いることによる信号の位相回転の原因を明らかにし，その補正方法について検討する．また，その分離精度および計算負荷を計算機シミュレーションにより従来法と比較検討する．