20面体電波暗箱を用いた携帯電話放射効率測定法の実験的検討－8GHzスケールモデルの部分試件

摘要

筆者らは，人体近傍で用いられる携帯端末の設計においてその放射効率を迅速に測定することを目的に，全立体角に直交センサを配置しこれらをランダム合成することにより統計的に放射効率を求める新しい方法について提案し，FDTD法を用いた計算機シミュレーションによりその有効性を明らかたした．本報告では，ランダム合成部を除く20面体形状の電波暗箱内に80対の直交センサを配置した測定装置を8 GHz帯スケールモデルで部分試作し，本提案測定法の有効性を実験的に検討する．まず，直交センサの配置方法，直交センサのバラつき標準偏差，センサ配置による伝送特性を示す．その結果，センサのバラつきは最大0.42 dBであり，シミュレーション設計パラメータを満足する結果が得られることを示す．さらに，従来法である放射パターン積分法と比較した．結果，従来法では-1.0 dBであるのに対し提案測定系では-l.4～-1.2 dBであり，本提案測定系が有効であることを明らかにする．