鋼板接着補強された腐食プレートガーダーの曲げ耐荷力実験

摘要

我が国では，現在，経年のために腐食減肉した構造物が多数存在しており，その性能回復が工学的重要課題となっている．とくに鉄道橋では供用後100年以上経過する橋梁が多数存在し，著しい腐食減肉が確認されている．腐食した銅板や部材の性能回復としては，鋼板を高カボルトで蓼合する方法が多用されているようである1）が，この補修法では，高カボルト用の削孔作業が必要であり，狭除な作業空間の場合には施工が難しい．また，摩擦接合による荷重伝達を期待する場合には，摩擦係数を確保しなくてはならないが，現場施工で信頼性のある摩擦係数を確保することは難しい．一克支圧ボルトを使用する場合には，摩擦の問題はないものの，削孔作業に大変な労力を要する．