(083)既存鋼構造の梁端溶接接合部の補強方法ならびに補強設計法の提案

摘要

近年，海溝型地震に起因した長周期地震動や，内陸直下型地震によるパルス性地震動などの高レベル地震動に対する関心が高まっている．これらは建物に大きな変位応答を与えることが想定され1) 既存超高層建物では梁端溶接接合部の早期破断が懸念される2)．このような地震動を対象として，既存鋼構造建物の梁端溶接接合部の補強を考えるにあたっては，層間変形角が1/50 を超える変形を想定することに加えて，一般に既存鋼構造建物はRC スラブ付の合成梁であるため，下フランジの歪が大きくなる力学性状ならびに施工上の制約を考慮する必要がある．