先天性股関節脱臼治療後のぺルテス様変形の検討

摘要

要旨【目的】当科で施行した先天性股関節脱臼治療後にペルテス様変形(ぺ変）を生じた症例を検討すること.【対象】1991?2002年に当科で行つた先天性股関節脱臼治療後にぺ変を生じた症例の うち，Y軟骨閉鎖まで経過観察し得た17例19股.【方法】最終整復法別に最終調査時のX線学的評 価を行い，骨頭変形はKalamchi&MacEwen分類，最終成績はSeverin分類で評価した.【結果】最 終整復法がリーメンビューゲル症例（Rb群）は6股，観血的整復術(Open Reduction ：以下，OR)を 要した症例(OR群）は13股だつた.X線学的評価および骨頭変形の程度は，両群間で有意差を認め なかった.整復方法と最終成績のSeverin分類に関しては，OR群で成績不良（Severin分類n, W) を多く認めた.【まとめ】OR以前の治療のみならず，ORそのものがぺ変に影響を及ぼしている可 能性が考察された.