先天性絞扼輪症候群における指節骨?中手骨の成長率

摘要

先天性絞扼輪症候群(CCBS)における罹患指節骨とその近位指節骨.中手骨に及ぶ骨成 長障害について，1984年以降当院で治療を行った手指CBSの45例を対象として，各指の指節骨? 中手骨の年間成長率から検討した.男児21例.女児24例，片側16例.両側29例，初診時平均年 齢11.8か月（0?7歳2か月），平均観察期間71.8か月（12?187か月）.初診時と最終観察時の両手 正面X線像よりそれぞれ長管骨の年間成長率（初診時と最終観察時の骨長の差+経過観察期間： mm/年）を求め，それを片側16例の健側を基準としてt検定を用いて比較検討した.罹患指節骨 では，母指基節骨を除くすべての指節骨で著明な成長障害を認め，その中で罹患指節骨の基部に成 長軟骨を認めるOgino分類type C， Dでも有意な成長障害を認めた.一方，罹患ま旨節骨より近位指 節骨では有意な成長障害は認めなかったが，その傾向はあった.