アスパラガス連作障害発生圃場の 土壌微生物群集構造解析

摘要

スパラガス栽培では株を更新（改植）す る場合に、経営面積の小さい我が国では同一 圃場への定植を余儀なくされている。そのた め、アスパラガス栽培では改植時に欠株や生 育不良が発生するなどの連作障害が大きな 問題となっている1〉。アスパラガスの連作障 害の主な要因として病原菌の集積による土壌 伝染性病害、土壌の物理化学性の悪化および アレロパシー物質による自家中毒などが考え られているが、その原因は様々であり根本的 な解決法が提示できていない状況にある。ア スパラガス連作障害の原因となる土壌病害と しては、兑枯ヲ丙(Fusanum oxysporum f. sp asparagi)や株腐病(Fusanum proliteratum) などが問題となっている。これまでにも、ア スパラガス圃場の土壌病原菌そのものに焦点 をあてた研究事例は多く行われてきたにもか かわらず、アスパラガス圃場の土壌微生物群 集構造全体に関する研究についてはほとんど 行われてこなかった状況にある。土壌微生物は施肥、有機物管理、作付体系 の影響を受けながら、作物生育に直接、間 接的に影響を及ぼしていると考えられてい る。