ヒューマノイドロボットと人と社会の関係について－期待されることと期待されないこと

摘要

ヒューマノイドロボットが登場する映画や小説はこれまで多数描かれてきた．ケータイ小説では頻出するテーマの一つであり，ヒューマノイドロボットが登場する小説は枚挙に暇がない．アルビン·トフラーは3つの波を示した．狩猟採集社会の文化からの農業革命後の社会を第一の波と呼び，農耕社会から産業·工業社会への移行を第2の波と呼び，産業·工業社会から脱工業化社会，情報化社会を第3の波と定義している．AIの発展により第4の波が到来するであろう．ヒューマノイドロボットの普及により，販売員や受付係，案内係，運転手や通訳などの大半の仕事をロボットが担うようになり，会計士や医師や弁護士の仕事の一部すらロボットにおきかわる時代が間もなく到来するであろう．そうなれば，サービズ業に従事する多くの人が失業する．第3次産業崩壊により仕事を失った人々が，ラッダイト運動を踏襲することにならないようにするためには，ヒューマノイドロボットやAI機器に置き換わる仕事と置き変わらない仕事に分類し，置き変わらない仕事に必要な知識を身につけられる教育に転換していく必要がある．そのために，本稿では，ヒューマノイドロボットへの期待←→非期待，実現←→非実現の軸により，期待され実現されることは何か，期待されないが実現するであろうことは何か，期待されていないし実現しないことは何か，期待しているが実現していないことは何かを明らかにする．結果は構図で示した．