共鳴トンネルダイオード発振器を用いたテラヘルツ無線通信の最近の進展

摘要

共鳴トンネルダイオード発振器を用いたテラヘルツ無線通信に関する我々の研究について最近の進展を含め報告する。高速変調可能な共鳴トンネルダイオード（RTD）テラヘルツ発振器を作製し、500GHz帯の周波数を用いて無線通信実験を行い、22Gbpsまでのエラーフリー伝送、および、34Gbpsにおいて誤り訂正可能な伝送を達成した。500GHzと800GHz帯を用いた周波数多重を行い、それぞれのチャネルで28Gbpsの誤り訂正可能な通信、また、偏波多重を行い、こちらもそれぞれのチャネルで28Gbpsの誤り訂正可能な通信を達成した。姿勢無依存での大容量テラヘルツ通信を目指し、円偏波を放射可能なラジアルラインスロットアンテナ集積RTD発振器を提案し作製した。作製したデバイスにより、発振周波数710GHzにおいて軸比2.2dBが得られ、円偏波のTHz 波を放射することに成功した。