心疾患患者のHeart Rate Performance Curveに歸する運動療法の効果

摘要

運動に伴う心拍数の変化は，古くから運動強度の目安として注目されてきた.また，運動強度に応じて刻々と変わる心拍数の経時変化からは，多くの生理的情報を得ることができる.例えば，漸増運動負荷後半では一般的に一回拍出量が頭打ちになるので，心拍数の増大は心拍出量の変化を反映すると考えられている1982年，Conconiら2)は，健常者においてランニング速度を徐々に上げていくと速度に対して心拍数は直線的に増加する力ある点から心拍数の増加率が低下し，その変曲点は乳酸増加と一致することを報告した.その変曲点は心拍数閾値と定義されたが，乳酸性作業閾値と一致するかどうかは議論の余地が残った.