アルコールに対する感受性とアルコール代謝酵素遺伝子多型および他の遺伝子多型との相関研究

摘要

双生児研究などからアルコールに対する反応には遺伝因子の関与が示唆されており，さらに20歳時点でのァルコールに対する感受性が低いことは将来のアルコール依存に関連することが報告されている2、しかし，具体的にどのような遺伝子がアルコールに対する感受性に関与するのかは不明な点が多い.アルコールに対する感受性の違いにはアルコール代謝の個人差が影響を及ぼすことは容易に想像できる.アルコールの代謝にはさまざまな酵素が関与するが，アルコールをァセトアルデヒドに酸化するアルコール脱水素酵素遺伝子（ADH1BまたはADH2)には遺伝子多型の存在が知られており，47番目のアルギニンがヒスチジンに置換するArg His多型のHis対立遺伝子は東洋人に特徴的である.