光触媒としてTiO2を用いたABS樹脂めっきのクロムフリーエッチング代替処理

摘要

ABS樹脂は，家電部品や自動車などに応用され，プラスチックへのめっき材料として広汎に使用されている。一般的に, ABS樹脂は，素材および析出金属間の密着性を得るために，H_2SO_4およびC_rO_3から成る強力な酸化剤によってエッチングする。 近県環境汚染の規制は，WEEEやRoHS指令の文書に見られるように．世界的に重要な関心事となっている。 したがって，有害物質を使用しない環境調和型エッチング技術が必要である。 そこで，われわれは．クロム酸代替として光触媒である酸化チタンの使用に着日し，TiO_2存在下で，UV照射を行うことにより．有効な表面改質が可能であることを見いだした。 本報ではABS樹脂中のブタジエン含有率を変化することにより，密着強度の改番を検討した。 その結果，ブタジエン含有率15－30％の範囲のABS樹脂で．1．OkNm－1の密着強度が得られることがわかった。 われわれはSEMおよびFE-TEM観察より，その密着性は租れた樹脂表面なLで，ナノレベルのアンカー効果により得られることを確認した。