へパラン硫酸鎖を介したFGFシグナルの局所的な受容機構

摘要

繊維芽細胞増殖因子（FGF)は細胞の増殖·分化·移動など多岐にわたる現象を主にFGF受容体（FGFR）を介して調節し ている．しかし．哨乳動物旺発生過程において，FGFがどのように標的細胞まで移動し，受容体のシグナル活性化を引き 起こすのかは依然として不明な点が多い．筆者らは． ガンドと受容体と三量体を形成するへバランWPMの機能につい てマウス胚を用いて解析した．結果．細胞表面のへパラン硫酸鎖がFGFリガンドの標的細胞特異的な受容に必須であるこ と．さらにはセリンプ□テアーゼを介して細胞非自律的に隣接細胞にFGFシグナルを伝播させることを見いだした．以上から． FGFシグナル活性はへパラン硫酸鎖の局所的発現によってダイナミックに制御されうることが示唆された．