アミノ酸感知シグナル

摘要

アミノ酸は，タンパク質を構成する成分として，また工ネルギー源としても利用される．細胞にとって重要な栄養素の1つ である．細胞は細胞内や細胞外にある遊離アミノ酸の量に応じてタンパク質合成をはじめとした様々な細胞機能の調節を 行っているが，細胞がいかにして遊離アミノ酸を感知し．その変動に応答しているのか，その分子メカ二ズムにはいまだに 不明な点が多い．近年，遊離アミノ酸の量的変化に応答する分子としてmTOR (mammalian target of rapamycin)が注 目されている．本稿では．ここ数年で急速に理解が深まってきた。遊離アミノ酸によるmTOR制御機構に関して，最新の 知見をまとめて紹介したい．