大分県沿岸における赤潮発生予測にょる漁業被害軽減ヘの取り組み

摘要

大分県は周防灘，伊予灘，別府湾おょび豊後水道に面しており（図1)，変化に富んだ海岸線の特性を活かして各種の漁業が発達している。豊後水道沿岸では，温暖でかっ静穏なリアス式海岸の特性からブリ類を中心とした魚類養殖業が盛んに営まれている。現在，大分県水産業における2012年の養殖漁業は生産量で39%，生産額で60%を占め，中核をなす業種である（図2)。しかしながら，集約的な生産形態の養殖業にとって，有害プランクトンにょる赤潮の発生おょびその被害は深刻な問題である。大分県内の年間の赤潮発生件数は近年，増加傾向であり2012年には30件を超えている。赤潮にょる被害は毎年報告され，とくに2001， 2005, 2006, 2007, 2012年は大規模であったため1億円を超える被害額となった（図3)。大分県の赤潮にょる漁業被害の大部分(98%)はKarenia mikimotoi（写真1）が原因の赤潮であるため，大分県ではK. mikimotoiを対象とした赤潮対策を確立することが重要である。