全国体型リチウム電池用新規電極システム

摘要

リチウムイオン電池の電極構成は，活物質粒子と導電剤である炭素粉末と，結着剤として機能する高分子を集電体となるAl箔あるいはCu箔の上に塗布することにより作製される．典型的な電極の厚みを図1に示す．また，この電極の微細構造モデルも同時に示す．粉体が絡み合った複雑な構造を有するが，このような構造をとることで電子伝導性とイオン伝導性の両面にやいて優れた電極となっている．もちろん，導電剤と粘結剤と活物質の量を最適化することが必要である．この電極に，非プロトン性の有機溶媒（エチレンカーポネートやジュチルカーボネートなど）に支持塩であるリチウム塩（LiPF6やLiClO。 など）を溶解することにより作製される電解液をしみ込ませることにより電極として機能する．電解液は液体であるので，活物質と電解液は必然的に接触し，電気化学的な反応界面が形成される．電子伝導性は導電剤である炭素粉末を介して活物質同士が接触することで確保されている．したがって，この電極系では，イオン伝導と電子伝導が十分に確保された状態になっている．液体電解質を用いた場合には電解質側の自由度により，このような電極系を構築することは容易であるが，固体系電解質を用いた場合には，流動性がないため，電極を作製することは簡単ではない．