微粒子選別技術とその応用

摘要

1.はじめに微粒子は,空気中では液体架橋力,ファン デルワールスカなどが作用し付着?凝集する 場合が多いが,液中では静電的反発力により 粒子同士の衝突.合体を防ぐことができる. そのため,微粒子の選択的な分離は液中で行 われる場合が多い.代表的な選別法としては, 固体表面の液体に対する濡れ性の差を利用し た選別法である浮選,液中造粒がある.微粒子になると沈降速度が遅くなるため,比重選別は困難と考えられていたが,最近では遠心力場を利用したさまざまな微粒子用比重選別機が開発されてきている.図1はD.W. Fuerstenauが示した微粒子選別法の概念図1) に最近開発された高度比重選別法(k)を加え たものである.固体-気体,固体-液体(油), 固体-個体間の付着力,粒子の密度などの差 を利用しさまざまな方法により,微粒子を気相,液相(油),固相とともに回収する方法が提案されてきており,多くの方法が実用化さ れている.微粒子の選別技術は,難処理鉱石 や廃棄物中の有価物の回収において今後ます ます重要になってくると考えられる.ここで は,選別法として重要な浮選,液中造粒,比重選別の概要を説明するとともに資源処理, 資源リサイクル分野における応用例について 紹介する.