超音波法にょる加熱材料内部の温度分布のリアル夕イムモニタリング

摘要

1.はじめに各種の工業材料，例えば，金属，セラミックス，有機材料などの生産?加工プロセスにおいて，材料や加工機械内部の温度とその分布状態をリアルタイムで把握したいというニ一ズは数多くある.近年では，原発?火力プラントなどで用いられる各種構造物や高温配管などの温度モニタリングも重要な課題となっている.著者らはこれらの要求に応えるベく，超音波にょる温度測定法，所謂，超音波サ一モメトリの適用にっいて検討している~(1~10）).この手法は音速の温度依存性を利用するもので，温度センサを測定物の内部に挿入する必要がなく，測定物表面からの超音波パルスェコ一計測結果と補助情報から物体内部おょび内表面（加熱面）の温度を測定できる.この最大のメリットは，加熱面の熱的境界条件が不明な場合でもその温度を測定できるという点にある.これまでに，片側加熱される厚板材料に対して同手法を適用し，その有効性を検証してきた~(1~3）).また，レ一ザ一超音波法を用いることで高温材料や回転体の非接触温度モニタリングを試み，その有用性を検証した~(4~9）).さらに，摩擦界面ヘの適用など新たな応用にも着手している~(10)).最近ではリアルタイム温度プロフアイリングシステムを開発し，その実用性を検討している.特に，温度モニタリングにおける時間分解能の向上は，高温場での材料加工プロセスモニタリンダにおいて大きなメリットとなる.本稿では，リアルタイム温度モニタリングを目的とした超音波サ一モメトリシステムに関するいくっかの実験結果を紹介する.