新規酸素PSAプロセスの開発

摘要

近年，ダイオキシン規制の強化からごみ溶融炉向けをはじめとして，国内外の酸素需要量は年々増加している．酸素の億用目的は，上記の溶融炉以外にも鉄鋼，環境関連，半導体産業，医療用など幅広い分野がある．このような酸素ガスの製造技術に関しては，目的とする純度，製造量などに応じて深冷分離法，圧力スイング吸着（PSA）法，膜分離法が使い分けられてきた．これらの製造方法のなかで深冷分離法たよる酸素供給は多大なランニングコストが必要である反面，．大規模の製造プラントに向いており，空気分離に限っていえば酸素窒素はもちろんのこと，希ガスのアルゴン濃縮なども非常に高純度の該ガスを製造できる特徴を持つことから広く利用されている．しかしながら，上記全ての用途に対応できるわけではなく，その精製ガスを中小規模のユースポイントで用いる際，パイプラインやガスボンベ（カードル）で配送する必要が生じる．特にガスボンベによるガス供給に頼っている工場などでは，残量管理等の手間隙の発生，高圧ガス取締法の適用，交通渋滞や排気ガスのNOズ，煤塵問題を引き起こすトラックなどでの配送が必要であることから，それらのデメリットを解決する－ために，自分のユースポイントでガスを製造できるオンサイトガス製造プロセスの導入に拍車がかかるようになった．この考え方は空気分椎のみならず，水素．一酸化炭乳メタン精製など多種多様な分野で共通しているといえる．こうして中小規模の分野においてPSA法，膜分離法の需要は高まってきている．