市民参加と合意形成一都市と環境の計画づくリ

摘要

森林における市民参加論の必要性が叫ばれて久しい。 その契機となった大きな出来事の仙·つが、1980年代に起きた知床国有林伐採問題である。 その知床が昨年、世界自然遺産に登録された。 これでさらに多くの注目が知床に注がれることになるだろう。 また、知床問題とほぼ時を同じくして顕在化した白神山他における林道建設問題は、知床に先立ってこの地を世界自然通産に指定する契機となったが、これら国有林と国民の間の紛争、対立は、その後1998年の森林法改正による森林計画への公告縦覧を制度化させた。 土屋（1999）が言うように、この間の国有林と国民の間の関係は、まさに劇的に変化したのである。しかし、正に画期的な制度として導入されたかに見えた広告縦覧制碇も、筆者らが行った調査（2002）によると、森林管理への「轟」の市民参加を実現させたかというと、どうもそうとも言えない面がある。