規模国産材製材工場の展開と地域林業構造

摘要

近年、国産材工場については、全体として数が減少するなか、1工場当たりの原木入荷量が増加し相対的に規模の大きな工場のウェイトが増加している。なかでも、5万m~3あ るいは、10万m~3を越える年間原木消費量をもつ工場が立地し稼働し始めている。 福島県のK木材(株)では、1980年代初頭から規模を拡大し、2004年時点で年間原木 消費量が約8万m~3であったが、これを2010年度までに15万m~3に拡大する計画がある (施設整備は自力)。工場の規模拡大と地域林業構造との間には、相互に規定性があるのは 言うまでもないが、本報告では、K木材（株）が規模拡大をなしえた要因について、工場 の原木確保方策と地域林業構造の変化という観点から報告する。